ＩＯＣによるオリンピク私物化を防げ

　東京オリンピックのマラソン競技は小池東京都知事の苦渋の決断で札幌開催が決まったが非常に後味の悪いものを残した。単純に考えれば開催時期は開催都市の一番気候のいい時期を選べばあらゆる競技がアスリートのためになる。こんな子供でも分かる単純なことが何故できない。この際メディアは徹底的に議論すべきである。昔は純粋な調整機関に過ぎなかったＩＯＣに利権が集まったからである。今回は巷間云われているテレビの放映権の問題であろう。具体的には多額の放映権を支払う能力のあるアメリカの放送会社の都合である。東京では秋のシーズンが最も好ましいのであるが秋はアメリカでもイベントが盛りだくさんで放送会社がＩＯＣに金で圧力をかけて8月に決めさせたと言われている。真偽のほどは不明であるがあり得ることである。８月に決めれば当然暑さ対策がが必要である。懸命に暑さ対策をしている最中である。アスリートに言わせれば何故初めから札幌と言ってくれないんだということになる。ＩＯＣも初めは東京でいけると思っていたのだろう。覆したのはドーハのマラソンだ、夜間やったのにもかかわらず棄権者続出。「こりゃ大変だ、東京で死者でも出たら責任を問われ利権も失うことになる、何が何でも札幌への変更だ、時間がない強引にやるしかない」と言ったところだろう。

青天の霹靂であった小池知事の苦悩はいかばかりであったろう。森組織委員会委員長は内諾の様なものを与え、頼みのメディアの支援もない。苦渋の決断に追い込まれたのである。

　何故利害関係なしに議論できる立場の日本のメディアが声を大にして支援しなかったのか、最終決定権がＩＯＣにあることを理由に、あっさり引き下がって東京都民を失望させたのか。まことに情けない。やっぱり外国に弱い内弁慶をさらけ出したと言われても仕方あるまい、今後のオリンピックのためにもＩＯＣのオリンピック私物化を防ぐ議論は絶対必要である。

　一方決まった以上はあらゆる困難を乗り越えて日本の名誉にかけて札幌開催を成功させなければならない。成功裏に終わり、流石日本と世界の人に称賛されれば東京都民も納得するであろう。